こつこつ基礎医学日記

東北の医学生による日々の勉強の記録

代謝調節型受容体

代謝調節型受容体は、Gタンパク共役型受容体といわれ、7回膜貫通型の構造をとる。Gタンパクはα、β、γの3つのサブユニットからなる三量体で、αサブユニットの働きにより、Gαs、Gαi、Gαqの3種類に分けられる。β、γサブユニットはイオンチャネルとして働く。…

神経筋接合部における刺激の伝達

神経終末に活動電位が伝わると、電位依存性カルシウムチャネルが開き、カルシウムイオンが細胞内に流入する。これがきっかけとなって小胞体からアセチルコリンが放出され、エキソサイトーシスによってアセチルコリンが放出される。 アセチルコリンは筋細胞膜…

神経伝達

・刺激の伝達…原則としてカルシウムイオンに依存する。シナプス前ニューロンに活動電位が伝わると、膜電位が脱分極する。これをきっかけに電位依存性カルシウムチャネルが開き、カルシウムイオンがシナプス前細胞に流入する。これをきっかけにシナプス小胞内…

胎児の血液循環

・胎児ヘモグロビン 妊娠時は母体の心拍出量が40%ほど増大する。胎児の持つ胎児ヘモグロビン(Hbf)は、成人ヘモグロビン(Hba)よりも酸素親和性が高く、母体からの酸素の受け取りに都合がよい。 ・卵円孔 胎児の血液は、胎盤からの動脈血を心臓へ運ぶ臍静…

ネルンストの式と静止膜電位

・ネルンストの式 水溶液中でイオンの濃度勾配が存在すれば、拡散によって電位差が生じ、電位差は濃度勾配に逆らってイオンを移動させようとする。二つの力が釣り合うところで平衡に達し、正味のイオンの移動はなくなる。ネルンストの式は、この濃度差と釣り…

心音の聴取部位とⅠ音、Ⅱ音

・心音の聴取部位 大動脈領域…第2肋間胸骨右縁 ―大動脈弁、大動脈の音を聞く 肺動脈領域…第2肋間胸骨左縁 ―肺動脈弁、および肺動脈の音が最も強く聴取される エルプの領域…第3肋間胸骨左縁 ―大動脈及び、肺動脈起源の音を聴取する 僧帽弁領域…左第5肋間…

血圧の基礎

・動脈の働き 動脈は心収縮期に一気に血液を受け止め、拍動脈に変えて血液を組織、毛細血管に流している。これは大動脈の男性と抵抗血管の働きによる。動脈硬化では、これらの作用が失われるため、拍動が大きくなり、最高血圧が上がる。 ・血圧の概要 収縮気…

脱水のいろいろ

① 等張性脱水 下痢や大量出血により、細胞外液(ECF)の電解質と水分が同じ割合で失われて起きる。細胞内外の浸透圧は変化しないため、細胞内液(ICF)の状態は変わらないが、細胞外液のみが減少した状態になる。重症度が増すと血圧が保てなくなる。 細胞外…

微小循環とは何か?

微小循環 細動脈の末梢から毛細血管に分かれ、再び集まって細静脈の末梢に至るまでの領域で起こる、組織との物質交換のこと。 多数の細胞からなる組織が、水の限られた環境の中で代謝を行うには、 ①組織内に細かな通路を作り、単純拡散に頼る距離を短くし、…

体液,血液の構成

体重70kgなら水分量は70×0.6=42Lになる 細胞外液はこのうち1/3の14L(体重の20%)、細胞外液は残り2/3の28L(体重の40%)になる。 細胞外液は3/4が間質液(細胞と細胞の間にある液体)で、1/4が血漿(血中の水溶液)である。 人体からの水分喪失は尿が最が最も…