こつこつ基礎医学日記

東北の医学生による日々の勉強の記録

神経筋接合部における刺激の伝達

 神経終末に活動電位が伝わると、電位依存性カルシウムチャネルが開き、カルシウムイオンが細胞内に流入する。これがきっかけとなって小胞体からアセチルコリンが放出され、エキソサイトーシスによってアセチルコリンが放出される。

アセチルコリンは筋細胞膜の受容体に結合すると、ナトリウムイオンの流入が起こり、終板電位(-1015mV)が発生する。この電位変化が電位依存性ナトリウムチャネルの開口を引き起こし、活動電位が発生して筋収縮が起こる。

 

 アセチルコリンは終盤にあるアセチルコリンエステラ―ゼにより、コリンと酢酸に分解される。その後、コリンは輸送体(コリントランスポーター)によりシナプス終末に取り込まれて、アセチルCoAとともにアセチルコリンに再合成される。

 

 重症筋無力症では自己抗原によりアセチルコリン受容体が破壊され、全身の筋力低下などの症状が出る。

 

大まかにまとめると以下の流れのようになる

 

活動電位の伝導

神経終末へのカルシウムイオン流入

小胞体からアセチルコリンAch)が放出

筋細胞膜(終板)の受容体にAchが結合し、終盤電位が発生

電位依存性ナトリウムチャネルが開口し、活動電位が発生

筋収縮