こつこつ基礎医学日記

東北の医学生による日々の勉強の記録

神経伝達

刺激の伝達…原則としてカルシウムイオンに依存する。シナプスニューロンに活動電位が伝わると、膜電位が脱分極する。これをきっかけに電位依存性カルシウムチャネルが開き、カルシウムイオンがシナプス前細胞に流入する。これをきっかけにシナプス小胞内の神経伝達物質シナプス間隙に放出される。※1

 

興奮性の神経伝達物質…代表例としてグルタミン酸があげられる。シナプス後膜側の受容体にはAMPA型、NMDA型の2種類がある。

 

AMPA型受容体…グルタミン酸が結合する事でカリウムイオンを細胞外へ出し、ナトリウムイオンを取り込む。このため平衡電位は0mVである。カルシウムイオンは透過しない。

 

NMDA型受容体…グリシンの結合がないとグルタミン酸とは結合できず、静止膜電位ではマグネシウムイオンが受容体の入り口をふさいでいて陽イオンを通さない。脱分極して開口すると、カルシウムイオンを含む陽イオンを透過する。

 

AMPA型は比較的早くて強い応答を、NMDA型は長く弱い応答を示す。

 

抑制性の神経伝達物質GABAグリシン

 

GABAの受容体…GABAaGABAc(いずれもイオン透過型)などで、クロライドイオンを膜内に透過することで膜電位を深くする(IPSPを与える)

 

※1…脳科学辞典(シナプス前終末)https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%82%B7%E3%83%8A%E3%83%97%E3%82%B9%E5%89%8D%E7%B5%82%E6%9C%AB