こつこつ基礎医学日記

東北の医学生による日々の勉強の記録

脱水のいろいろ

① 等張性脱水

 下痢や大量出血により、細胞外液(ECF)の電解質と水分が同じ割合で失われて起きる。細胞内外の浸透圧は変化しないため、細胞内液(ICF)の状態は変わらないが、細胞外液のみが減少した状態になる。重症度が増すと血圧が保てなくなる。

細胞外液を補うため、生理食塩水(0.9%NaCl)で補液する。

 

② 高張性脱水

 発汗などで細胞外液の電解質は変わらず水分のみが失われたときに起きる。ECFが高張となり、これに伴ってECFICFの水分移動が起こるため、ICFも高調となる。

血漿浸透圧、血中ナトリウム濃度上昇などの所見がみられる。細胞内液、細胞外液に供給される自由水(真水)を補い、浸透圧を下げる必要があるので5%ブドウ糖溶液で補液する。

 

③ 低張性脱水

 電解質が水分より多く失われたときに起きる。利尿剤の過剰投与など、医原性に生じることが多い。

 

参考:標準救急医学P.193